DESCENDENTS / HALLRAKER LIVE! LP
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DESCENDENTSが1989年にリリースしたライブ盤『HALLRAKER LIVE!』は、彼らの“速さ”“メロディ”“ユーモア”“哀愁”が、最も生々しい形で刻み込まれた重要作品だ。スタジオ盤では完璧に整理されていたDESCENDENTS節が、このライブ盤では荒削りな熱量と共に噴き出している。
録音は1987年のヨーロッパ・ツアーを中心に収録。当時のDESCENDENTSは『ALL』『Enjoy!』期を経て、メロディック・ハードコアとして完全に独自の領域へ到達していた時代であり、まさに脂が乗り切った編成。Milo Aukermanのナード感全開のヴォーカル、Bill Stevensonの狂気的なドラミング、Karl Alvarezの跳ね回るベースライン、Stephen Egertonの切れ味鋭いギターが、スタジオ以上のテンションで炸裂する。
特に凄まじいのはBill Stevensonのドラム。BLACK FLAG後期にも通じるタイトかつ暴走寸前のスピード感で、曲全体を前のめりに押し進める。その上でDESCENDENTS特有のポップネスが崩壊しないのが恐ろしい。ハードコア・パンクの衝動と、青春ポップの切なさが完全に同居している。
セットリストも非常に強力で、「ALL」「Hope」「Bikeage」「Clean Sheets」「Coolidge」「Myage」など、初期〜中期を代表する名曲群を網羅。単なるベスト選曲ライブではなく、各曲がスタジオ版より荒く、速く、時に感情的に演奏されている点がこの作品最大の魅力だ。特に「Bikeage」の切実さや、「Hope」の疾走感はライブならではの迫力がある。
また、このアルバムは単なる“ライブ記録”ではなく、80年代後半USパンクの空気そのものを封じ込めている。観客との距離感、機材の荒さ、少しラフなミックス、ツアーバンド特有の疲労感までもがリアルに伝わってくる。その雑味こそが『HALLRAKER LIVE!』の価値であり、後のメロディック・パンクやポップパンク勢に与えた影響も計り知れない。
NOFX、PENNYWISE、LAGWAGON、GREEN DAY以降の90年代メロディック勢を聴く上でも、この作品を通る意味は大きい。DESCENDENTSは“メロコアの元祖”として語られることも多いが、このライブ盤を聴けば、彼らが単なるポップパンクではなく、根底に強烈なハードコア精神を持ったバンドだったことがよく分かる。
スタジオ盤『Milo Goes To College』や『ALL』を聴き込んだ後にこの作品へ辿り着くと、DESCENDENTSというバンドの本質――不器用で、速くて、笑えて、そして少し泣ける――その全部が理解できるはずだ。『HALLRAKER LIVE!』は、彼らの人間臭さとライブバンドとしての凄みを記録した、80’s USパンク屈指の名ライブアルバムである。
■トラックリスト:
A1.Global Probing
A2.My World
A3.Hurtin Crue
A4.Hey Hey
A5.Kabuki Girl
A6.All
A7.Pep Talk
A8.Jealous Of The World
B1.Christmas Vacation
B2.I Like Food
B3.Iceman
B4.Good Good Things
B5.Cheer
B6.Rockstar
B7.No FB
B8.Cameage
(SST Records)
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